かつて、ジョン・レノンかく語りき。
”You don't have to hear what Bob Dylan's saying, you just have to hear the way he says it."
「ボブ・ディランが何を歌っているか聞く必要はない。彼の歌い方を聞きさえすれば充分だ」(訳/三浦久)
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とまあ、英語圏の人でもディラン御大の歌詞を理解できないというのに、ドメスティックな日本語圏のオイラがわかるはずもない。
歌詞を翻訳してはった片桐ユズル氏も、『ボブ・ディラン全詩集』のあとがきで、言葉の多義性やニュアンスを日本語に置き換えることは不可能やということを書いてはったように記憶する。
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特に、1965~1966年のフォーク・ロック期に発表された歌は、異なるイメージを幾重にも重ね合わせて新たなイメージを形成していくような歌詞が多くて、訳詞を読んでもさっぱりわかりまへん。韻を踏むために、無理やり言葉を選んではったんとちゃうかなーと邪推してしまう。
そんなディラン御大を少しでも理解するには、参考書がないよりあった方がマシでおます。
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大阪市内の書店を4軒はしごして、ようやく購入いたしました。
60年代中期のディラン御大と、取り巻く状況を解説したムック。本日発売の「ブートレッグ・シリーズ第12集〈CD6枚組デラックス・エディション〉」の全曲解説も載ってますが、さすがに歌詞の内容までは言及されておりません……。
ちなみに『レコード・コレクターズ 2016年1月号』は、「ブートレッグ・シリーズ第12集」の特集を予定しているそうなので、それも愉しみ。
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▼ 史上初のMVであり、ラップの先駆けと誉れ高い「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」。
ジョニーは地下で くすりをまぜ
おれは舗道で 政府についてかんがえる
トレンチ・コートの男 バッジをひけらかし
わるいセキがとっつきやがった なんとかならないか
ほら見てみい あんたのしわざじゃないか
いつのまにか それにまたやってるじゃないか
路地裏は気をつけたほうがいい あたらしい友だちをさがすなら
アライグマのぼうしの男が 大きなオリのそばで
11ドルほしがってるが あんたは10ドルしかない
訳/片桐ユズル
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さて、Amazonでポチっとしていた「ブートレッグ・シリーズ第12集」。まだ、オイラの手元へ発送される気配がまったくないのでありました。(´;ω;`)ウゥゥ