
【内容紹介】 from Amazon
「かんにん」は男を舞い上がらせる。史上初の美人コンテストは平安時代に開催された。京美人には秋田美人の気迫、新潟美人の悲哀が感じられない。京女は3B、同女は3K。かつて女子大は姥捨て山だった。なぜ日本人はうなじと脚首に色気を感じられるのか? ミス・ユニバースの美の基準はどこにあるのか? ベストセラー『京都ぎらい』の著者待望の新刊!
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京都の言葉と大阪の言葉は違っているようで似ている部分もあるんで、たぶん、大阪女も「かんにん」と言う可能性の下地はあると思うんだす。
ところが字面は同じ「かんにん」でも、大阪女の「かんにん」と京女の「かんにん」はまったく違うような気がしますねん。
実際に「かんにん」なんて言われたことがないんで、あくまでもイメージの話だすが、大阪女はつっけんどんの強い口調で「かんにん」の後に「!」が付く感じだすなア。頬っぺた膨らませて、相手の目を見ず、うつむき加減に言い放つ、それこそが浪花女の真骨頂だす。
それに反し京女のそれは、潤んだ瞳で相手の目をじっと見つめながら、甘く切なく囁く感じで「かんにん」だす。つわー、こりゃあ堪りまへんなあ。心の裏で舌を出してても、その嘘に騙され続けたくなるやおまへんか、ねえ。(*´ω`*)
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まえがきで井上センセが「この本は、京女のことを噺(はなし)の枕においている」と書いてはるように、(さすがに井上センセも京女を敵に回したくなかったのか)全編で京女の嘘をぶった切るような内容の本ではありまへんでした。
美人にまつわるウンチクあるエッセイ集でおましたが、興味深い内容が満載でおました。
昔、ミス・ユニバースの日本代表選考会は毎年テレビで放送されてたのに、いつのまにか放送せえへんようになってましてんなあ。司会は必ず宝田明やったような……。
最後に井上センセへのお願いとして、機会があれば「美人」から派生する熟語の中でもネガティブな部類に入る「美人薄命」とか「白痴美人」とかは、いつ誰が使い始めたのか調べてみてほしいだす。不美人の妬み僻みが根源にありそうなんで闇が深そうだすよ。
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