
【内容紹介】 from Amazon
僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。
私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。
十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。
十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。
夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。
私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作!
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
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入院中に読もうとしてた一冊。フライングで読破してしまいましたがな。
既刊『きつねのはなし』寄りの、仄暗いホラーテイストなファンタジー小説でおましたなあ。
夜と朝、明と暗、幸と不幸、現と幻……二律背反する事象が実は表裏一体で実存しているという感じの、読後、希望が持てる物語でよかっただすよ。
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読みながら思いだしたんだすが、オイラにもあれが現実やったのか、夢の世界の出来事なのか判断できへん記憶があるんだす。
幼稚園へ行くか行けへんかの幼少時のころの記憶だす。祖父母の家の庭に井戸のような水溜りがありまして、貞子の井戸のように囲いがあればいいんだすが、まったく地面とフラットの水溜りで、通常は木の板で蓋をしているような作りだす。
「蓋の上を歩いたらあかんで」と言われてたと思うんだすが、大丈夫、大丈夫と蓋の上で飛び跳ねたオイラは、蓋が割れて案の定、水溜りにザブーンとなったんだすが、そばに祖父母と両親がいて助かったんだす。
しかし……それは夢の中での記憶のような気もするし……なんだか不思議な感じだす。
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