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【内容紹介】from Amazon
なぜこれがこんな高いのか、あんな安いのか、なんで無料なのか、そもそもあんなものになんでおねだんがつくのか――大学進学以来、京都住まい二十余年。往々にしてそんな局面に出くわした著者が、そんな「京都のおねだん」の秘密に迫る。
そもそも「おねだん」の表示がされていない料理屋さん、おねだん「上限なし」という貸しビデオ屋、お地蔵さんに生ずる「借用料」。
そして究極の謎、花街遊びにはいくらかかる?
京都人が何にどれだけ支払うのかという価値基準は、もしかしたら京都を京都たらしめているゆえんかもしれない。
京都の「おねだん」を知ることは、京都人の思考や人生観を知ることにつながるはず。
2015年サントリー学芸賞芸術・文学部門を受賞、気鋭のチャップリン研究者にして「京都人見習い」を自称する著者による、初エッセイ。
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本屋さんをブラブラしてましたら、「”舞妓さんと遊ぶ“おいくら?」という文字が目に飛び込んできたんだす。
今の人間関係のコネクションを考えて、また、将来的にも一見さんお断りのお座敷なるものに一生縁がなさげなオイラなんだすが、舞妓さんと遊ぶのにどのくらいのお金がかかるのか? 高額と噂には聞いておますが、具体的な金額はいかほどか興味あるやおまへんか。
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史上初の抹茶パフェのおねだん、お地蔵さんのお貸出しのおねだん、旦那遊びを支える土地のおねだんなど……お座敷遊びのおねだん以外もいろいろなおねだんが書かれてあって、目次を読むだけでもワクワクしてきますがな。
入院時の暇つぶしにと、別段、何かを期待して買ったワケやないんだすが、(意外と言っちゃ怒られそうだすが)京都愛とウンチクにあふれた内容が面白かっただす。
京都好きやったチャップリンの話は感動で泣けてくらあ。(T_T)
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そしてそして、この手の京都本で、どの範囲を想定して「京都」として語るのかという最も重要なポイントが明確に文章化されて説明されておましたがな。
京都の中心として「田の字地区」(東西を堀川・河原町、南北を丸太町・四条で挟まれた田の形をしている)というエリアを著者は定義してはるのやが、これはこれで西陣が……などと考えるのは無粋なんで止めときまひょw
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