
【裏表紙・内容紹介文】
「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。世紀の大騒動を、ふわふわの愛で包む、傑作・毛玉ファンタジー!
○
三年前に一度読んだきり。
森見センセの本は常々拙ブログにてレビューしているオイラであるが、なにゆえこの本を紹介していなかったのであろうか?
しばし記憶の糸を手繰りよせてみるが、当時の事柄はすでに初期化済みで復元する手立てがない。想像するに、中盤から終盤にかけての、阿呆な狸らしからぬ人間のような天狗のようなダーティーな展開を読んで、ちょっとばかし陰々滅々な気分に陥ったためであろう。
下鴨家の狸たちに感情移入しながら読んでいると、しばし歯がゆい思いを強いられてしまう。森見センセのファンタジー作品にしては珍しく鬱展開なのだ。
最終章である第七章なんぞはほぼ忘却していた。
なので「あの作品」に出ていたキャラ登場にニンマリ驚きつつ、ほとんど御都合主義と言うべき第一部大団円に向かってのハチャメチャなジェットコースター的展開を、ハラハラドキドキしながら読むことができたことは幸いなり。
絶賛放送中のTVアニメの方も残り三話。
ちょうど歯がゆいエピソードのところである。たぶん、またまた今週も切歯扼腕を強いられるのであろうなあ。orz
「捲土重来!」