昔あんたはとてもおめかしをして
羽振りを利かせていた時は浮浪者たちに小銭を恵んでいただろう、
そうじゃなかったかい?
みんなはわざわざ声をかけて言ってくれていたじゃないか、
「気をつけるんだよ、かわいこちゃん、落ちぶれてしまうよ」って
ただの冗談だって思っていたんだろう
金魚の糞のようにくっついて歩く自分の取り巻きを
あんたは笑い飛ばしていたものね
今あんたはちっちゃい声でしか喋らなくなって
プライドもなくなってしまったらしい
何とかして次の食事にありつこうとしているざまを見ているとね
どんな気分だい
気分はどうだい
住む家もなく
まったく誰からも相手にされず
転がる石のように生きるのは?
訳詞/中川五郎
○
今から30年以上も前のこと。
Youtubeもない時代。気軽にボブ・ディラン御大の歌を聴ける環境ではありまへんでした。当時、ヒット曲があったわけでもないので、ラジオで聴くこともありまへなんだ。
中古レコード屋さんで日本編集盤のベストアルバムを買ってきて、初めてディラン御大の歌を聴いたときのことだす。
下手くそな歌とギターとハーモニカで奏でられる「風に吹かれて」から始まって、「くよくよするなよ」「時代は変る」「マイ・バックページ」「ミスター・タンブリン・マン」とアコギ系の歌が続いた後、いきなり一発のスネア・ドラムの音がオイラの脳天を直撃したんだす!
うぉ~! これこそが、オイラが求めていたサウンドぉー!
○
先月発売された『ザ・カッティング・エッジ1965-1966(ブートレッグ・シリーズ第12集)』には、「ライク・ア・ローリング・ストーン」の録音シーンが、CDまるまる一枚に収まっていたのだ。
音だけではありますが、録音スタジオ内にいる雰囲気は多少なりとも味わえるし、公式発表バージョンのフェードアウトしないバージョンが聴けるのも新鮮。
さらには、公式発表バージョンをその時「良し」としていなかったディラン御大は、曲に磨きをかけるべく、どんどんテイクを重ねていきはったんですねえ。御大としては、もっとスピード感が欲しかったんか?
ミスが少なく、完奏したテイク4が公式バージョンとして発表されたわけですが、もしテイク15が中断せずに完奏していたら、そっちの方が公式バージョンとされていたかもなあ……。バックバンドの演奏がかなりこなれてきていたのに、ディラン御大のボーカルの集中力が低下していたのが中断原因か? 残念に思いました。
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この歌に登場するミス・ロンリーとは一体誰のことなのか……ファンの間でも未だ謎のベールに包まれとるんですが、当時、ディラン御大には、気に食わない女性が近くにいてはったんでしょうなあ。
歌詞の内容は、ミス・ロンリーに対して攻撃的でありますが、哀れみもある。
「盛者必衰の理」という教訓もある。
驕った生き方をしないようにしようという戒めの歌でもある。
ですんでオイラは、実ってはおまへんが頭を垂れて、垂れて……裏で舌を出す人生ですわ。Ψ( ̄∀ ̄)Ψケケケ
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最後に。
今回が年内最後のブログ更新です。
結果、2015年の山納めは地元の生駒山ということになりました。
皆の衆、よい新年をお迎えください。(^o^)/