
監督:小津安二郎
脚本:野田高梧、小津安二郎
原作:大佛次郎(おさらぎじろう)『宗方姉妹』
出演:田中絹代、高峰秀子、上原謙、高杉早苗、山村聰、笠智衆
【あらすじ】 from amazon
日本の古い因習に縛られて生きる姉・節子(田中絹代)と、そんな呪縛から解き放たれて自由に生きる妹・満里子(高峰秀子)。節子の夫(山村聰)は失業しているため、いやいやバー勤めをしている節子は、ひそかに神戸の家具屋・田代(上原謙)に惹かれているようだが、満里子はそんな姉が気が気でならない……。
名匠小津安二郎監督がホームグラウンドの松竹を初めて離れ新東宝にて撮った、大佛次郎原作の文芸映画。戦後になって日本の古い伝統や習慣が徐々に失われていくさまが、姉妹の確執などを通して、小津映画には珍しくドラマティックにつづられている。妹の描写など、今の眼で見ると多分に古風ではあるのだが、当時はこれで相当に斬新だったのだろう。(的田也寸志)
○
京都、神戸、東京が主要舞台。
▼ ここは京都? 奈良?
▼ 京都大学。
▼ ちょこっと奈良・薬師寺のシーンがある。
オイラが観た限り、amazonのあらすじに違和感あり。
田中絹代はバーに勤めているのではなく経営者。もしかしたら雇われ店長なのかもしれないが、いやいや働いている風ではない。
山村聰と結婚前、上原謙と(手を握るか握らないかの淡い)交際をしていた。上原謙がフランス留学(家具屋修行?)してしまう頃、山村聰との縁談話で結婚する。
先行き不透明な失業中の山村聰と、神戸で家具屋を経営する前途有望な上原謙。
現代の価値観からすると、田中絹代は上原謙になびいてしまっても致し方なかろうところ、ところがどっこい、古風な女代表・田中絹代は、求職活動を懸命にしている風ではない山村聰を一言もなじることなく、家計を支えるために働いている。
田中絹代がバーの運営資金調達を上原謙に頼むくだりなんか、過去の恋心で惹かれあっているというよりも、逆に計算尽くで上原謙の気持ちを利用しているような気がせんでもない。
○
終戦から5年。登場人物の心の内ではまだ戦争を引きずっているのであろうが、画面上ではまったく戦争の傷跡が感じられない。当時の街の俯瞰風景が、ほとんど映っていないからなのだろうか?
○
▼ 服を新調したいという妹・高峰秀子に、姉・田中絹代が「何を着ても似合わないわよ」。その理由とは……。
▼ 上記のシーン以降、高峰秀子のお尻に目がいってしまう。見立てでヒップ95ぐらいか?(゜_゜;)
○
▼ 猫が大好き、山村聰。
▼ 自宅で多頭飼いしている。
○
▼ この映画、箴言もいっぱい。
▼ 「流行」を追ってもいつかは古くなる。どんなに時代が変わろうとも、「変わらないもの」を探し持たなければいけないねえ。
○
▼ 京都御苑。書き割りのような東山?
▼ オイラは紫の京都の山を見たことがないのであるが、どーゆー意味なんだろうか?
古い世代の女性像を演じた田中絹代が、実は新しい感性を持っている人だったのかもしれない。よーわからんけど。(;´_`;)