
【カバー裏・内容紹介文】
「ついに証明した! 俺にはやはり恋人がいた!」。二年間の悪戦苦闘の末、数学氏はそう叫んだ。果たして運命の女性の実在を数式で導き出せるのか(「大日本凡人會」)。水玉ブリーフ、モザイク先輩、凹(へこみ)氏、マンドリン辻説法、見渡すかぎり阿呆ばっかり。そして、クリスマスイブ、鴨川で奇跡が起きる――。森見登美彦の真骨頂、京都を舞台に描く、笑いと妄想の連作短編集。
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一気呵成に読み終える。
誰の賞賛、感嘆もないにもかかわらず、毎日ひたすら愚にもつかぬ不毛なブログ更新をしている阿呆なオイラであるが、この連作短編集に登場する腐れ大学生の阿呆たちはそんなレベルではござんせん。
阿呆ここに極まれり!
阿呆なオイラにも理解不能な阿呆がこれでもかと言わんばかりに次々と登場する。もうワケがわかりません。
千万人と雖(いえど)も吾往(われゆ)かんとする阿呆の猛者のオンパレードである。
『四畳半神話大系』では気丈だった明石さんであっても、この小説の中では朱に交われば阿呆の趣なのである。
既刊小説群と多重リンクしているので、モリミ初体験の方は『四畳半神話大系』、『夜は短し歩けよ乙女』、『【新釈】走れメロス他四篇』、『恋文の技術』を先に最低限読んでおいた方が良ろしいかと。
内的四畳半(インナースペース)小説でありますので、本書未読の方は阿呆神に精神汚染されぬように注意が必要。
阿呆神万歳! ビバ阿呆神!
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▼ 豊穣なる四畳半王国の深奥には、こんなに素晴らしき桃色ぷるぷるの楽園もあるはずだ。旅立て若人たちよ! そしてオイラを連れてっておくれよ〜。